グラント行政書士事務所【多賀城市役所 徒歩2分】

経審の加点が狙える【自主宣言制度】はじまりました

建設業界では深刻な人手不足が続く中、技能者の処遇改善が急務となっています。こうした背景から、令和8年より経営事項審査(経審)において新しい加点項目「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度(職人いきいき宣言)」が導入されることとなりました。W点で5点、P点に換算すると約6.5点のアップが見込める項目です。

「うちはまだ先の話だ」と思われがちですが、加点を受けるためには決算日までの準備が欠かせません。この記事では、制度の概要から具体的な申請フロー、意外と知られていない注意点までをわかりやすく解説します。

目次

自主宣言制度とは

以下について、「自社はこのような取り組みをします」と宣言する制度です。

  1. 無理な見積もりを行わないこと。
  2. 適切な労務費を支払うこと。
  3. 社員の育成に取り組むこと。
  4. CCUSを活用すること。
  5. この宣言をしている企業と、優先的に取引を行うこと。

宣言する際、元請・下請・発注者のうち、どの立場でこの宣言をするのかを選択できます。選択した立場によって、宣言すべき項目が多少変わります。自社の状況に合わせてどの立場で宣言しても構いませんが、発注者の立場で宣言した場合は経審の加点にはならないのでご注意下さい。

どうやって宣言するの?

宣言は、国土交通省の専用ポータルサイトから行います。(https://jishusengen.mlit.go.jp)サイト内から進めていくので、特に必要な書類はありません。まずはサイトを開き、【宣言の申請】ボタンを押して下さい。押した先のページで、自主宣言を行う前の確認事項がダウンロードできます。

注意書きをよく読んだうえで自社で取り組む内容を決めたら、ページ下部の【申請する】というオレンジ色のボタンを押し、宣言を進めていきます。

申請手続きの流れ

自主宣言の申請・登録フロー

「職人いきいき宣言」の登録から経審加点、その後の更新までの流れを解説します。

01. 宣言立場の確認(自社の役割を選択)

まずは、自社が「発注者」「元請」「下請」のどの立場で宣言を行うかを確認します。自社の事業形態に合わせた立場を選んでください。

元請下請どちらの立場にもなる場合は、どちらで宣言してもOKです。ただし実態がほぼ元請の場合は、下請の立場で宣言するのは好ましくないとの見解が国交省から出されています。

また発注者の立場で宣言した場合は、経審の加点にはなりません。

02. 取組項目の選定(必須・任意項目の検討)

宣言する内容を決定します。

  • 必須項目: 必ず実施しなければならない取組(適正な工期設定やCCUSの利用など)
  • 任意項目: 自社の実情に合わせて選択できる取組(賃金アップや月給制の導入など) この段階で、自社が無理なく継続できるプランを立てます。

03. 取組開始日の設定

実際にその取組をスタートさせる日を検討します。

※経審加点においては、「取組開始日」が決算日(審査基準日)を過ぎていても、決算日までに「受理」されていれば有効です。

04. オンライン申請手続き

自主宣言ポータルサイトhttps://jishusengen.mlit.go.jp)にて、自社情報と取組内容を入力して申請します。

05. 事務局による審査

送信された内容を事務局が確認します。

※不備がある場合は差し戻しとなる可能性もあるため、決算日より前に余裕を持っての申請をおすすめします。

06. 受理・ポータルサイトへの掲載

審査を通過すると正式に受理され、ポータルサイト上に「宣言企業」として公表されます。 受理後はマイページから「宣言書」がダウンロード可能になります。宣言書は経審申請の際に使用します。

07. 宣言の更新(再申請手続き)

自主宣言には有効期限があります。 「申請日の翌月から数えて2年を経過した後の、最初の12月末まで」に再申請(更新)を行う必要があります。継続して経審の加点を受けるためには、期限内の更新が必須です。

経審の加点との関係

この宣言を行うと、経審で加点されます。P点換算で6.5点という大きな加算なので、宣言内容を取り組めるもしくはすでに取り組んでいる方は、ぜひご検討してみて下さい。経審の加点にするためには、以下の要件があります。

「職人いきいき宣言(建設技能者を大切にする企業の自主宣言)」経審加点のポイント

  • 宣言のタイミング: 審査基準日(決算日)までに宣言が受理されていることが必要です。 (※実際の取り組み完了日は、決算日より後でも問題ありません)
  • 適用開始時期: 令和8年7月1日以降に申請を行う経営事項審査(経審)から有効となります。
  • 経審申請時の提出書類: 審査の際、以下の2点をあわせて提出します。
    1. 宣言書: 自主宣言完了後、ポータルサイトのマイページからダウンロードできます。
    2. 誓約書: 経審書類の追加様式として配布される見込みです。

自主宣言の際の注意点

「職人いきいき宣言」は経審加点などのメリットがある一方、注意点もあります。申請前に以下のポイントを確認しておきましょう。

1. 宣言内容の「実行責任」が伴う

最大の注意点は、単なる形式上の宣言ではなく、「実際に取り組むこと」を前提としている点です。

  • 虚偽の懸念: 経審申請時に「誓約書」を提出するため、宣言した内容を全く実施していない実態がある場合、虚偽申請とみなされるリスクがあります。
  • 実務負担: 選んだ項目によっては、社内の就業規則の改定や、給与システムの変更など、実務的なコストや手間が発生します。

2. ポータルサイトで社名と取組内容が公表される

自主宣言を行うと、専用ポータルサイトに自社名と宣言内容が一般公開されます。

  • 誰でも閲覧可能: 従業員や求職者、取引先、さらには競合他社からも「この会社は〇〇に取り組むと宣言している」ことが見えます。
  • プレッシャー: 宣言した内容が守られていない場合、従業員からの不信感につながる恐れがあるため、実現可能な項目を選ぶ慎重さが求められます。

3. 有効期限と更新手続きの手間

一度宣言すれば永続的に有効なわけではありません。

  • 2年ごとの更新: 申請日の翌月から2年経過後の最初の12月末までに再申請(更新)が必要です。
  • 忘れると加点消滅: 更新を忘れるとポータルサイトから削除され、次回の経審で加点が得られなくなります。社内での期日管理が不可欠です。

4. 経審加点の適用タイミングに注意

「宣言すればすぐに経審で加点される」わけではありません。

  • 制度開始日: 令和8年7月1日以降に申請する経審からが対象です。
  • 受理日ベース: 決算日(審査基準日)までに「受理」まで完了している必要があります。申請日と受理日のズレで加点を逃すリスクに注意してください。

失敗しないためのポイント

デメリットを避けるためには、最初から背伸びをした項目を選ばないことが肝心です。まずは「現在すでに取り組んでいること」や「確実に実現できること」を中心に項目を選定し、段階的に取組を広げていく進め方をおすすめします。

ご不明な点がございましたら、以下のお問い合わせフォームからいつでもお問い合わせ下さい!

\ 経審加点のシミュレーションも受付中です /

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次